Production Process製作までの話
近年続く異常気象による猛暑。気温30℃を超える日も珍しくなく、従来の夏服だけでは過ごしにくさを感じることが増えてきました。「どんなに暑い日でも、涼しく心地よく、そしておしゃれを楽しんでほしい」――そんな想いから、このワンピースの製作はスタートしました。猛暑の中でも快適に過ごせる素材選びと、一枚で美しく映えるデザイン。その両方を叶えるべく、何度も試作と調整を重ね、ようやく完成した一着です。
とにかく暑い日、肌に生地がまとわりつくだけでも不快に感じてしまう。そこで、風通しの良さと汗ばむ季節でもべたつかない快適な着心地を目指し、サイズ感にとことんこだわりました。ただ、サイズをゆったりさせるだけでは、どうしてもシルエットが大きく見えがち。そこで、身幅は太って見えないギリギリの分量を見極め、風が通り抜けるゆとりを持たせながらも、すっきりと見えるラインに仕上げました。さらに、腕まわりを美しく見せるフレンチスリーブの開き具合も、何度も調整。インナーが見えすぎるとだらしなく映ってしまうため、程よい深さと品の良さを両立するラインを追求しました。
こなれた印象を演出するために、生地にはサンドウォッシュ加工を施しました。程よく使い込んだような、柔らかな風合いとほんのりヴィンテージ感のある表情が魅力で、着るだけで自然とおしゃれ上級者の雰囲気に。素材そのものに軽やかなニュアンスが生まれることで、シンプルなデザインながらも奥行きのある一枚に仕上げています。また、生地と同色のさりげない刺繍をほどこし、控えめながらもオリジナリティをプラス。
脇にはポケットを付けて実用性をプラス、裾にはサイドスリットを入れることで動きやすさと軽やかさを両立しました。歩くたびに自然と揺れるシルエットが、涼しげな印象を与えてくれます。首元は、きちんと感と抜け感を併せ持つ低めのバンドカラーにデザイン。上品でありながらも、硬くなりすぎず、リラックスした夏の装いにぴったりです。胸元の開きはボタン仕様に。ボタンを外して大きく開けて着ていただくと、縦のラインが強調され、すっきりとした印象に。
ベーシックなデザインにまとめることで、アクセサリーや小物の合わせ方ひとつで表情が変わる、着回し力の高いワンピースに仕上げました。シンプルだからこそ、その日の気分やシーンに合わせてさまざまなスタイリングを楽しんでいただけます。例えば、ストローハットやサンダルを合わせればリゾート気分の軽やかな装いに。アクセサリーをプラスすれば、街着としても程よくきちんと感のあるコーディネートに。活用頻度が高くても飽きがこないように仕上げています。
シンプルで着回しやすいデザインだからこそ、キャップを合わせれば程よくスポーティな印象に。レジャーや屋外イベントなど、カジュアルな装いが求められるシーンでも、このワンピースなら涼しく軽やかに過ごせます。足元をスニーカーやスポーティなサンダルに替えるだけで、動きやすさもプラス。暑くて外出が億劫になりがちな季節も、快適におしゃれを楽しめます。